第1号公開回答例

ローラーコンベヤの速度を変更するとき、 モーターだけ確認すればよい?

搬送速度を変更すると、 モーター回転数以外にも 減速機、チェーン、スプロケット、 ローラー、軸、ベアリングなどに 影響する可能性があります。

このページは技術相談サービスの回答内容を示すために作成した 公開用モデルケースです。 特定のお客様から受けた案件ではありません。

1.ご相談内容

現在使用しているローラーコンベヤの 搬送速度を上げたいと考えています。

インバータ周波数を変更して モーター回転数を上げれば、 そのまま使用できるのでしょうか?

2.結論

モーター回転数だけでは判断できません。

コンベヤ速度を変更すると、 駆動系全体の回転数、トルク、 チェーン速度、軸受条件などが変化します。

少なくとも、 モーター → 減速機 → スプロケット → チェーン → ローラー → 軸・ベアリング の順に確認する必要があります。

3.確認する範囲

モーター
減速機
スプロケット
チェーン
ローラー
軸・ベアリング

4.主な確認項目

対象 確認項目 速度変更による影響
モーター 回転数・出力・電流・使用周波数 高周波運転時の許容回転数や 出力特性を確認
減速機 許容入力回転数・出力トルク 入力回転数増加と 出力側余裕を確認
スプロケット 歯数・PCD・回転数 チェーン速度や 駆動比への影響を確認
チェーン チェーン速度・張力・許容能力 高速化による動的負荷増加を確認
ローラー 回転数・搬送速度 希望速度に必要な回転数を確認
軸・ベアリング 回転数・荷重・潤滑 回転数上昇による 発熱や給脂条件を確認

5.代表的な確認計算

実際の回答では、 ご提供いただいた設備仕様を使用して数値確認します。 ここでは代表的な計算方法のみ示します。

ローラー回転数の確認式

ローラー外径を D、搬送速度を V とすると、 ローラー回転数 n は概ね次式で確認できます。

n = 1000 × V ÷ (π × D)
  • n:ローラー回転数[min⁻¹]
  • V:搬送速度[m/min]
  • D:ローラー外径[mm]
減速機出力回転数の確認
n₂ = n₁ ÷ i
  • n₁:モーター回転数
  • n₂:減速機出力回転数
  • i:減速比
トルクの確認

動力と回転数から概算トルクを確認する場合、 次式が使用できます。

T = 9550 × P ÷ n
  • T:トルク[N・m]
  • P:動力[kW]
  • n:回転数[min⁻¹]

※実際には減速機効率、機械効率、 起動条件なども考慮する必要があります。

6.セカンドオピニオン

コンベヤ速度を上げる場合、 「モーターに余裕があるから大丈夫」 という判断だけでは不十分です。

速度上昇によって、 減速機入力回転数、チェーン速度、 ベアリング回転数などが上昇します。

また、定常運転時の計算値が許容範囲内でも、 起動・停止頻度、搬送物の衝撃、 チェーン張力、ローラー回転抵抗などによって 実際の負荷が増える可能性があります。

したがって、設備変更時には 「計算上成立するか」と 「実設備として余裕があるか」 を分けて考えることが重要です。

7.確認優先度

優先度 確認内容 理由
モーター・減速機の許容回転数 高速化による直接的な影響を受けるため
必要トルクと出力トルク 搬送能力の成立性に直接関係するため
チェーン速度・張力 速度上昇により動的負荷が変化するため
ベアリング回転数・給脂条件 高速化により発熱・潤滑条件が変化するため

8.推奨する確認手順

変更前
  • モーター仕様確認
  • 減速機許容回転数確認
  • 必要トルク再計算
  • チェーン仕様確認
試運転時
  • モーター電流確認
  • 減速機温度確認
  • チェーン挙動確認
  • 異音・振動確認
運転開始後
  • 軸受温度確認
  • チェーン伸び確認
  • 潤滑状態確認
  • 電流値の経時確認

9.関連する無料計算

あなたの設備条件で確認してみませんか?

実際の設備では、 搬送重量、ローラー径、モーター、 減速機、スプロケットなどによって 判断結果が変わります。

「どこまで確認すればよいか分からない」 という段階でも構いません。

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ご利用上の注意

本ページは一般的な技術検討方法を示すための 公開用モデルケースです。 個別設備の安全性、性能、耐久性、 法令適合性等を保証するものではありません。

実際の設備変更を行う場合は、 使用機器のメーカー仕様、現物状態、 運転条件等を確認したうえで、 設備所有者、設計者、メーカー等の責任において 最終判断してください。